、ノート写させてく…れませ…ん、か?」
ぎこちない敬語。
借りる身だからと必死にがんばっているのだろう。
いつも口の悪いこいつが…



−二階堂高嗣。
中学生活が始まって早3ヶ月たった今。
彼は宿題を忘れる毎日。
「またですか?二階堂クン」
呆れ+照れ3%で私は言い、しぶしぶノートを取り出す。
「はい、10秒以内に書くこと!」
「は?普通に無理だし」
「じゃぁ返してよ」
こんなやりとりを毎日続ける。
結構嬉しいんだ。
この時間。
そう、私は二階堂クンに片思いしてるのです。
「おっ二階堂、また見せてもらってんの?」
二階堂クンの友達の健永クンがくる。
「いいなぁ…オレも彼女ほしいな」
…健永クンはわざと遠い目をする。
すると二階堂クンはまぬけな声で言った。
「こいつ、彼女じゃないんだけど」
私の頭にタライが降ってきたようだった。
ホントのコトじゃん!
そう自分に言い聞かせてもやっぱり悲しかった。
「ふーん…でも、は二階堂のコト好きなんだろ?」
健永クンが恐るべきコトを口にする。
「……今なんて?」
血の気がひいていった。
「だっ…ダレがこんなやつ!」
とっさに言ってしまった言葉。
もう後戻りはできない。
とりあえず、私はその場を去った。

「最悪だよ…」
一人で言って、、
一人で怒って、、
一人で逃げて来ちゃったよ。。
そこは使われてない空き教室だった。
「ホントは…」
そう思うと涙がでてくる。

ガラッ…
急に教室の扉が開く。
そこにたっていたのは…二階堂クンだった。
「さっきのホント?健永がいってたコト」
少しためらいながら二階堂クンは私に聞く。
「ぇ?」
今、告白しちゃおうか…と私の頭をよぎる考え。
そして…
「さっきはごめん、健永クンの言ってたコト…」
そこで言葉がつまってしまう。
たった一言なのに言葉がでてこない。
でも、言えないのはやだ!!!
すぅ…っと深呼吸をする。
そしてか細い声で言った。
「ホント…だよ」と。
すると二階堂クンは下を向いて…
でもハッキリと言った。
「オレも。。」